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第2節 原子の電子配置
A 原子の電子配置
電子殻
►電子殻
ラザフォードとボーアの原子模型では,原子核の周囲を回る電子が一
定半径の球殻面にあると考えて電子殻と呼んだ。内側からK,L,M,N,……殻
と名づけられているが,これは量子力学における原子模型で,主量子数n=1,2,
3,4,……に対応する。各電子殻にはそれぞれ電子軌道があり,s,p,d,f,……
と名づけられているが,これは方位量子数l=0,1,2,3,……に対応する。主量
子数nの電子殻には,lがn−1までのn種類の電子軌道が存在する。また,方位
量子数lの電子軌道は,磁気量子数mlによってさらに2l+1種類に分かれる。た
とえば,p軌道はl=1に相当するから3(=2×1+1)種類に分かれ,px,py,pzの
ように区別される。そして1個の電子軌道は2個まで電子を収容できる。
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方位量子数 |
→ |
磁気量子数による軌動数 |
→ |
収容電子数 |
|
l=0 |
|
2×0+1=1 |
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1×2=2 |
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l=1 |
2×1+1=3 |
3×2=6 |
||
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: |
|
: |
|
|
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l=n-1 |
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2×(n-1)+1=2n-1 |
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(2n-1)×2=4n-2 |
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計n種類 |
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合計 n2 |
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計 2n2個 |
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電子殻と電子軌道,および収容電子数 |
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電子殻 |
K |
L |
M |
N |
0 |
P |
Q |
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電子軌道 |
1s
|
2s
|
2p
|
3s
|
3p
|
3d
|
4s
|
4p
|
4d
|
4f
|
5s
|
5p
|
5d
|
5f
|
5g
|
6s
|
6p
|
6d
|
6f
|
6g
|
6h
|
7s
|
|
電子軌道数 |
1 |
1 |
3 |
1 |
3 |
5 |
1 |
3 |
5 |
7 |
1 |
3 |
5 |
7 |
9 |
1 |
3 |
5 |
7 |
9 |
11 |
1 |
|
最大電子数 |
2 |
2 |
6 |
2 |
6 |
10 |
2 |
6 |
10 |
14 |
2 |
6 |
10 |
14 |
18 |
2 |
6 |
10 |
14 |
18 |
22 |
2 |
電子配置
►電子配置
一般に,原子番号Zの原子にはZ個の電子がある。これらの電子が,原子の各
電子軌道にどのように配置されるかは,次のような法則や原理による。
まず,「1つの電子軌道には,2個の電子しか入ることができない。」これをパウリ
の原理という。量子力学によれば,電子のもつスピンに2種類あり,同一の電子軌
道にはスピンの異なる電子が1対しか入れないという原理である。
さらに,原子の最も安定な状態はエネルギーの低い電子軌道から順に電子を満たし
た状態である。「一般に,内側にある電子殻の電子軌道ほどエネルギーが低い。同じ
電子殻では,方位量子数lの小さいほどエネルギーが低く,s,p,…の順に電子が配
置される。また,lの値が同じ電子軌道では,電子は異なる電子軌道から順に配置さ
れる。たとえば,N原子の2p軌道の電子配置はpx1py1pz1となる。これは,同一の電
子軌道に入るより電子間の反発が小さいためと考えられる。
次に,電子軌道も考えた1H〜20Caの電子配置の順を示す。

B 価電子
最外殻電子と価電子
►最外殻電子と原子の性質
元素の化学的性質の類似性は,最外殻電子の配置の類似性から説明できる。す
なわち,反応に関係するのは最外殻電子であり,その配置が似ている元素は同
様の性質を示す。どの元素が類似した性質をもつかを生徒に考えさせ,周期律の
学習の準備としたい。