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第1節 アルコールとエーテル
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A アルコール ►アルコール(alcohol) 無色の化合物で,炭化水素の水素原子をヒドロキシ基で置換した構造をしている。但し,ベンゼン環にヒドロキシ基が直接結合したものはフェノール類であり,アルコールではない。分子中のヒドロキシ基の数が1個の時1価アルコール,2個の時2価アルコール,多数の時多価アルコールという。また,ヒドロキシ基の結合している炭素原子に,炭化水素基が1個だけ結合して他は水素原子の時第一級アルコール,炭化水素基が2個の時第二級アルコール,全て炭化水素基の時第三級アルコールという。 低級な(炭素原子数の少ない)アルコールは特有の臭いを持ち,水に溶け易いが,炭素原子数が多くなる程溶け難くなる。Cl〜C3のアルコールは,水と任意の割合に溶ける。
アルコールの名称は,1価アルコールは,対応する炭化水素の末尾の-eを-olに変えて命名する(置換名)。ヒドロキシ基の位置を示す必要がある時は,炭素原子の番号で示す。2価,3価アルコールでは,末尾を-diol,-triolと変える。また,基官能名では,炭化水素基名にアルコールをつけて命名する。慣用名を使う事もある。
►メタノール(methanol) メチルアルコールともいう。最も簡単な構造のアルコールで,木材の乾留等で得られる(木精)。揮発性,可燃性,刺激臭のある無色透明で有毒な液体。融点−97.78℃,沸点64.65℃,密度0.79142g/cm3(20℃),引火点12℃。 CO+2H2=CH3OH+129kJ ►エタノール(ethanol) エチルアルコールともいう。代表的なアルコールで,古くから酒として利用されてきた(酒精)。室温では液体で,融点−114.5℃,沸点78.32℃,密度0.79g/cm3(20℃)。 従来は,デンプンや糖蜜等を原料として発酵法によって作られていたが,近年エチレンを原料として工業的に合成されるようになった。 硫酸法による合成では,濃硫酸とエチレンから硫酸エステルを作り,これを加水分解してエタノールを得る。この時ジエチルエーテルが副生する。 C2H4+H2SO4
―→ C2H5OSO3H C2H5OSO3H+H2O ―→ C2H5OH+H2SO4 2C2H5OH+Mg ―→ (C2H5O)2Mg+H2 (C2H5O)2Mg+2H2O ―→ 2C2H5OH+Mg(OH)2 ►多価アルコール(polyhydric ethanol) 1分子内にヒドロキシ基を複数もつアルコールの総称。単糖類の還元で得られる糖アルコールは代表的な多価アルコールである。 B エーテル ►エーテル(ether) エーテル結合-O-で2つの炭化水素基が結合した化合物である。炭化水素基が同じ場合を単一エーテル,異なる場合を混成エーテルという。エーテル結合を含んだ環を作る時は,環状エーテルという。脂肪族エーテルは天然には産出しない。芳香族エーテルには植物中に存在し,香料として用いられるものがある。
►ジエチルエーテル(diethyl ether) エチルエーテル,エトキシエタン,酸化エチルともいう。代表的なエーテルであり,単にエーテルといえばこれを指す。甘味,刺激臭のある無色の液体で,沸点が低く,揮発性があり引火し易く,空気との混合物は爆発を起こす。吸収麻酔薬や溶剤として用いられている。 工業的には,エタノール合成の副産物として得られる。 2C2H5OH ―→ C2H5OC2H5+H2O |
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